Googleの新エージェント「Gemini CLI」とは?使い方や他のツールとの違いを解説

GeminiCLIとは?使い方や他のツールとの違いを解説!

Googleから、コマンドライン(ターミナル)で直接AIと対話できる新しいツール「Gemini CLI」が登場しました。

この記事では、Gemini CLIの説明やインストール手順、実践テクニックなどを解説していきます。

目次

Gemini CLIとは?開発現場が変わる新しいAIエージェント

Gemini CLI公式画像

Gemini CLIは、Googleの高性能AIモデル「Gemini」を、普段お使いのターミナルから直接呼び出せる無料のオープンソースツールです。

Gemini CLIの特徴や他のツールとの比較を見ていきましょう。

Gemini CLIの主な特徴と「できること」

Gemini CLIの主な特徴と「できること」
  • 圧倒的な無料枠: なんと1日1,000リクエストまで無料で利用可能。個人開発や学習目的なら、ほぼ無制限に使えると言っても過言ではありません。
  • 大規模な文脈理解: 最大100万トークンという広大なコンテキストウィンドウを持ちます。これにより、プロジェクト全体のソースコードを読み込ませて分析するなど、複雑で大規模なタスクもお手の物です。
  • Google検索との連携: CLIから直接Google検索を実行し、常に最新の情報を基にした回答を生成できます。「最新のライブラリの情報を教えて」といった質問にも正確に答えてくれます。
  • 完全オープンソース(OSS): Apache 2.0ライセンスで公開されており、透明性が高く、自由にカスタマイズや拡張が可能です。

多彩な機能

  • 複数言語に対応したコード生成・修正・バグ修正
  • 自然言語でのエラー分析やテストコードの自動生成
  • CI/CDパイプラインへの組み込みやスクリプト連携
  • 技術ドキュメントの要約や清書

競合ツールとの比較(GitHub Copilot CLI / Claude Code)

「他のAI CLIツールと何が違うの?」という疑問にお答えします。主要なツールと表で比較してみましょう。

機能/ツールGemini CLIGitHub Copilot CLIClaude Code
料金無料枠が広い
($19.99/月~)
基本的に有料
($10/月~)
無料枠は限定的
($20/月~)
文脈上限100万トークン12.8万トークン20万トークン
OSS性完全OSS (Apache 2.0)独自商用独自商用
特徴Google検索連携、拡張性、圧倒的無料枠IDE統合、コード補完精度ターミナル操作に特化

選定ポイント

  • コストを抑えて高機能を試したい、最新情報を活用したいなら → Gemini CLI
  • 既存のGitHub環境やIDEとのシームレスな連携を最優先するなら → GitHub Copilot CLI

Gemini CLIは、特にコストパフォーマンスと情報の鮮度、拡張性の面で大きなアドバンテージを持っています。

4. Gemini CLIのインストールと初期設定

それでは、実際にGemini CLIをインストールしてみましょう。手順はとても簡単です。

Step 1: 前提条件の確認

お使いのPCに Node.js v18以降 がインストールされていることを確認してください。

Step 2: npmでインストール

ターミナルを開き、以下のコマンドを実行します。-gオプションでグローバルにインストールするのがおすすめです。

npm install -g @google/gemini-cli

Step 3: 初回起動とGoogle認証

インストールが完了したら、ターミナルで以下のコマンドを実行します。

gemini

初回起動時に認証用のURLが表示されるので、それをブラウザで開き、お使いのGoogleアカウントでログインしてください。表示された認証コードをターミナルに貼り付ければ、セットアップは完了です。

【ハンズオン】Gemini CLIの基本的な使い方4パターン

Gemini CLIの使い方は非常に直感的です。ここでは4つの基本的なパターンを紹介します。

パターン1: 対話型モード

geminiコマンドだけを実行すると、チャット形式でAIと対話できます。

$ gemini
Hi there! How can I help you today?
> PythonでFizzBuzzコードを書いて

```python
def fizzbuzz(n):
  for i in range(1, n + 1):
    if i % 15 == 0:
      print("FizzBuzz")
    elif i % 3 == 0:
      print("Fizz")
    elif i % 5 == 0:
      print("Buzz")
    else:
      print(i)
```

パターン2: 一発コマンド

gemini "質問内容" の形式で、単発のタスクを素早く実行できます。Google検索連携が活きる使い方です。

$ gemini "最新のReact 19のポイントをまとめて"

検索中...
# React 19 の主なポイント
1. **Actions API**: フォーム処理を簡素化
2. **React Compiler**: パフォーマンスを自動で最適化
...

パターン3: パイプを使ったファイル処理

|(パイプ)を使えば、他のコマンドの出力をGemini CLIに渡して処理させることができます。

cat error.log | gemini "このエラーログを要約して、考えられる原因を3つ教えて"

パターン4: 簡単なコマンドの実行 (`!`記法)

Gemini CLIの対話モード内で ! を先頭につけると、OSのシェルコマンドを直接実行できます。

> !ls -l
total 8
-rw-r--r-- 1 user group 1024 Jun 1 10:00 README.md
drwxr-xr-x 2 user group 4096 Jun 1 10:05 src

【実践編】プロジェクト開発を加速させる3つの強力な機能

基本的な使い方をマスターしたら、次はより実務的な機能を活用して開発を加速させましょう。

ローカルファイル・ディレクトリの参照 (`@`記法)

@を使うことで、ファイルやディレクトリ全体をAIにコンテキストとして渡せます。これがGemini CLIの真骨頂です。

使用例:

# 特定のファイルを読み込ませてリファクタリングを依頼
gemini @src/utils/helpers.js "このコードをより効率的にリファクタリングして"

# ディレクトリ全体を解析させてアーキテクチャを説明させる
gemini @src/ "このプロジェクトの主要機能とアーキテクチャを図で説明して"

プロジェクト専用のAI取扱説明書 (`GEMINI.md`)

プロジェクトのルートディレクトリにGEMINI.mdというファイルを作成しておくと、Gemini CLIがその内容を自動で読み込み、プロジェクト固有のルールに従ってくれます。

GEMINI.md の設定例:

# GEMINI.md - プロジェクト設定ファイル

## コーディング規約
- コンポーネントは必ず関数コンポーネントを使用する。
- スタイルはTailwind CSSを使用する。
- stateの更新は不変性を保つこと。

## 命名規則
- コンポーネント: PascalCase (例: ProductCard)
- 関数・変数: camelCase (例: getUserData)

このファイルを置くだけで、「新しいコンポーネントを作って」と指示した際に、上記の規約に沿ったコードが生成されるようになります。

高速フィードバックループ (`!`記法の実践)

コード生成 → テスト実行 → エラー修正のサイクルを、すべてターミナル内で完結させることができます。

# 1. Pythonスクリプトを作成させる
> CSVをJSONに変換するPythonスクリプトを書いて > convert.py

# 2. テスト用のCSVファイルを作成する
> !echo "id,name\n1,Alice" > test.csv

# 3. スクリプトを実行してみる
> !python convert.py test.csv
# (ここでエラーが発生したとする)

# 4. エラーを修正させる
> さっきのエラーを修正して

# 5. 再度実行する
> !python convert.py test.csv

このように、エディタとターミナルを往復する必要がなくなり、開発の試行錯誤が格段にスピードアップします。

料金プランについて

Gemini CLIの料金体系は非常にシンプルです。

  • 無料利用: 1日1,000リクエスト1分間に60リクエストまで。個人開発者、学生、小規模チームでの利用や学習目的なら、この無料枠で十分すぎるほどの機能を使えます。
  • 有料プラン (Gemini Code Assist): より高度な機能や大規模なチームでの利用、手厚いサポートを求める法人向けのプランです。料金は$19.99/月からとなっています。

よくある質問 (FAQ) と注意点

Q: 対応しているOSは?
A: Windows, macOS, Linuxのすべてに対応しています。ターミナルが使える環境であれば基本的に利用可能です。

Q: 企業で利用しても大丈夫?
A: 可能です。本格的な導入を検討する場合は、セキュリティやサポートが充実した法人向けプラン「Gemini Code Assist」の利用をおすすめします。利用前には、必ず組織のセキュリティポリシーとGoogleの利用規約をご確認ください。

【重要】注意点: 機密情報の取り扱い
@記法でファイルを読み込ませる際、APIキーやパスワード、個人情報などが含まれるファイル(例: .env, secrets.json)を誤ってAIに渡さないように十分注意してください。

9. まとめ

Gemini CLIは、単なるAIチャットツールではありません。

  • 圧倒的な無料枠と高性能
  • Google検索連携による情報の鮮度
  • @記法によるプロジェクト単位の解析能力
  • GEMINI.mdによるカスタム性

これらの特徴を兼ね備えた、まさに「ターミナルに常駐する優秀なアシスタント」です。
簡単なタスクの自動化から、複雑なコードベースの分析まで、あらゆる開発フェーズであなたの生産性を飛躍的に向上させてくれるでしょう。

今すぐインストールして、未来の開発スタイルを体験してみてください。

参考

GeminiCLIとは?使い方や他のツールとの違いを解説!

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この記事の監修者

株式会社BuzzConnection/株式会社KAGEMUSHA 代表取締役CEO

2021年に独立し、株式会社BuzzConnectionを設立。複数の事業を運営し、現在はAIを活用したWebアプリケーションの開発、運用や生成AIの普及を目的としたセミナー研修の開催など多角的に活躍している。
2023年4月に株式会社KAGEMUSHAを創業。AI事業に大きく事業を展開。
AIアバターやデジタルヒューマン、AIチャットボット、AI研修など幅広い視点からAIの業務効率化を支援。

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