【SNSで話題の動画が作れる】Veo3とは?使い方から料金、商用利用まで徹底解説

Google DeepMindが開発した最新のAI動画生成モデル「Veo3」が、映像制作の常識を覆そうとしています。テキストや画像から、音声付きの高品質な動画を生成できるこの革新的なツールは、2025年5月のGoogle I/Oで発表されて以来、大きな注目を集めています。

「Veo3って何がすごいの?」「他のAIとどう違うの?」「どうやって使えばいいの?」

この記事では、そんな疑問にお答えします。「Veo3とは」という基本から、使い方、料金プラン、OpenAIのSoraなど他ツールとの比較、商用利用の可否まで、網羅的に解説します。

この記事を読めば、Veo3のすべてが分かり、あなたのクリエイティブ活動やビジネスにどう活かせるかのヒントが見つかるはずです。

目次

Veo3とは?Googleが開発した最新のAI動画生成モデル

Veo3(ヴェオ3)は、Google DeepMindが開発した第3世代のAI動画生成モデルです。テキスト(プロンプト)や画像を入力するだけで、映像と音声を同時に含む高品質な短編動画を数分で自動生成します。

従来のAI動画生成ツールは「無音の映像」を作るのが一般的でしたが、Veo3は以下の要素をワンストップで生成できる点で画期的です。

  • 環境音や効果音:街の喧騒、波の音、ドアの開閉音など
  • キャラクターのセリフ:プロンプトで指示したセリフや会話
  • BGM:シーンの雰囲気に合わせた背景音楽

さらに、Googleの高度な物理シミュレーション技術により、重力や光の反射、水の流れといった現実世界の法則を反映した、非常に自然でリアルな動きを表現できるのも大きな特徴です。

前モデルVeo2からの進化点

2025年時点の最新バージョンであるVeo3は、前モデルVeo2から大幅に進化しました。

項目Veo2Veo3
音声生成不可(無音動画のみ)可能(環境音、効果音、BGM、セリフ)
解像度最大1080p最大4K
プロンプト理解力基本的な指示に対応長文でストーリー性のある複雑な指示も理解
連携限定的映像制作ツール「Flow」とシームレスに連携

Googleの映像制作プラットフォーム「Flow」を使えば、複数のクリップを繋げて数分程度の長編動画を作成することも可能です。

Veo3の主な特徴

Veo3が他の動画生成AIと一線を画す、特に注目すべき3つの特徴を解説します。

① 映像と音声を同時生成(高精度なリップシンク)

Veo3最大の特徴は、映像と音声を一度に生成できることです。プロンプトで「カフェで友人と楽しく会話する女性」と指示すれば、女性の話し声、周囲の雑音、BGMまで含んだ動画が出力されます。

特に驚異的なのがリップシンク(口の動きと音声の一致)の精度です。キャラクターが話すセリフに合わせて、唇の形や舌の動き、表情、頷きまでが自然に連動します。これにより、AI生成とは思えないリアルな会話シーンが実現します。

② 高度なプロンプト理解力とリアルな物理表現

Veo3は、非常に高い言語理解能力を持っています。
「夕暮れの海辺で白いワンピースの女性が歩き、最後は夕日をバックにシルエットで終わる」といった、映画のワンシーンのような詳細な指示も正確に映像化します。

また、現実世界の物理法則の再現にも優れており、水しぶきの飛び散り方や、コーヒーから立ち上る湯気の動き、夕日の柔らかな光の反射など、非常にリアルな表現が可能です。この物理演算に基づく自然な描写が、視聴者に違和感を与えない高品質な動画を生み出します。

③ 画像参照機能と映像制作ツール「Flow」との連携

Veo3はテキストだけでなく、画像をプロンプトとして利用することもできます。

  • スタイル参照:参考画像の画風や色調を動画に反映させる。
  • キャラクター参照:オリジナルのキャラクターイラストを登場させる。
  • シーン合成:背景、人物、小物の画像をそれぞれ指定し、1つの動画に統合する。

さらに、Googleの映像制作ツール「Flow」と連携することで、プロレベルの動画制作が可能になります。Flowを使えば、以下のような高度な編集が直感的に行えます。

  • 複雑なカメラワークの指定(ズームイン、ドリー、俯瞰など)
  • 複数クリップの連結による長尺動画の編集
  • 静止画のアニメーション化(Image-to-Video機能)

他の主要な動画生成AIとの比較(Sora・Runway・Midjourney)

Veo3は素晴らしいツールですが、他にも有名な動画生成AIは存在します。ここでは代表的なツールと比較し、それぞれの特徴を整理します。

ツール名開発元特徴音声生成主な用途
Veo3Google音声付き動画を高解像度(4K)で生成。リップシンク精度が高い。◎ 可能音声が重要なSNS動画、広告、プレゼン
SoraOpenAI映像のクオリティが非常に高い。リアルで高精細な描写が得意。× 不可映像美を追求したいサイレント動画、コンセプト映像
RunwayRunway短いクリップを高速生成。既存動画のスタイル変換などユニークな機能。× 不可短尺クリップの大量生産、実験的な映像制作
MidjourneyMidjourney動画生成は不可。 高品質な静止画(イラスト・写真風)を生成。× 不可動画のコンセプトアート、イメージボード作成

結論として、「映像+音声」をワンストップで生成できるのは、現時点でVeo3だけです。
YouTubeショートやTikTokなど、音が重要なコンテンツを作るならVeo3が最も適しています。一方で、音声が不要で映像美を極めたいならSora、短いクリップを手軽に作りたいならRunway、動画の素材となる静止画が欲しいならMidjourneyと、用途に応じた使い分けが賢い選択と言えるでしょう。

Veo3の使い方|基本から応用まで

Veo3は、GoogleのAIアシスタント「Gemini」または専門ツール「Flow」から利用できます。

Geminiでの基本的な使い方

最も手軽にVeo3を試せる方法です。

  1. Google AIの有料プランに加入
    Veo3は有料プラン(AI ProまたはAI Ultra)限定の機能です。
  2. Geminiにログイン
    ブラウザまたはスマホアプリでGeminiにアクセスします。
  3. 「動画」モードに切り替え
    チャット入力欄の横にあるビデオカメラのアイコンをクリックします。
  4. プロンプトを入力
    作りたい動画の内容をテキストで入力します。(例:「桜並木を歩く女性、シネマティックな雰囲気」)
  5. 送信して生成
    送信ボタンを押すと、数分で動画が生成されます。完了後、プレビューを見てダウンロードできます。

Flowを使った高度な動画制作

より本格的な動画を作りたい場合は、Flowを使いましょう。

  1. Google AI Studio (Flow)にアクセスし、ログインします。
  2. 新規プロジェクトを作成し、「テキストから動画(Text to Video)」を選択します。
  3. 品質設定で「Veo3」を選択します。(Ultraプラン加入が必要)
  4. プロンプトを入力して生成します。Flowではカメラワーク(例: “The camera starts with a close-up…”)など、より詳細な指示が可能です。
  5. 生成した複数のクリップをタイムライン上で繋ぎ合わせ、長尺動画に編集します。

高品質な動画を作るプロンプトのコツ

  • 英語で詳細に指示する:現状、日本語より英語の方がニュアンスが伝わりやすいです。
  • ストーリー性を盛り込む:「最初は〜だが、徐々に〜して、最後に〜になる」といった時間経過を表現してみましょう。
  • 構図やカメラ視点を指定する:「俯瞰視点で」「カメラはズームインする」といった指示で表現が豊かになります。
  • 参考画像を活用する:作りたい雰囲気に近い画像を追加すると、イメージ通りの動画になりやすいです。
  • 長尺動画はシーンを分割する:8秒以上の動画は、シーンごとに生成して後からFlowなどで連結するのが基本です。

詳しいプロンプトのコツはこちらのnoteでまとめているので、イメージ通りの動画を生成したい方はこちらをご覧ください。

Veo3の料金プランと無料で試す方法

Veo3を利用するには、Google AIの有料サブスクリプションへの加入が必要です。

料金プラン(2025年5月時点)

プラン名月額料金(税込)Veo3の月間生成上限FlowでのVeo3利用主な対象
Google AI Pro2,900円10本まで不可(Veo2のみ)ライトユーザー、お試し利用
Google AI Ultra36,400円125本まで可能ヘビーユーザー、法人、映像制作者

無料で利用できるか?

結論から言うと、Veo3を完全に無料で継続利用する方法は現在ありません。

ただし、Google AI Proプランには初回1ヶ月の無料トライアル期間が設けられています。この期間を利用すれば、実質無料でVeo3の性能や使い勝手を試すことが可能です。まずはトライアルで品質を確認し、継続するか判断するのがおすすめです。

Veo3の活用シーン

Veo3は、その手軽さと表現力から、さまざまな分野での活用が期待されています。

  • SNS向け動画コンテンツ
    YouTubeショートやTikTok、Instagramリール向けの短尺動画を素早く量産できます。
  • デジタル広告・マーケティング
    商品紹介の短い広告動画を低コスト・短期間で制作し、ABテストなどに活用できます。
  • 企画書・プレゼンテーション
    企画のコンセプトや完成イメージを映像化し、プレゼンの説得力を高めます。
  • 教育・学習コンテンツ
    複雑な原理や手順を、分かりやすいアニメーション動画で解説できます。
  • クリエイティブ作品・エンターテイメント
    個人の創作活動として、短編アニメや映像詩といった新しいアート表現に挑戦できます。

商用利用と著作権について

ビジネスでVeo3を利用する上で、最も気になるのが権利関係です。

商用利用の可否

Veo3で生成した動画は商用利用が可能です。Googleは、生成されたコンテンツの所有権を主張しないと規約で明記しています。したがって、広告や販売用コンテンツに利用できます。

生成した動画の権利は誰のもの?

生成された動画の著作権は、基本的に生成したユーザー本人に帰属します。ただし、プロンプトに第三者の著作物(特定のキャラクター名など)を含んだ場合、その権利処理はユーザーの責任となります。

ウォーターマークとAI生成の表示義務

有料プランで生成した動画には、目に見えるウォーターマーク(透かしロゴ)は入りません。
ただし、AI生成物であることを識別するための電子透かし「SynthID」が埋め込まれています。現時点でAI生成であることの表示義務は法的にありませんが、誤解を招く可能性があるコンテンツでは、その旨を注記することが推奨されます。

禁止事項と注意点

  • 実在するブランドロゴや商標の無断使用
  • 有名人など実在の人物に酷似した映像の生成
  • 暴力的、差別的、ポルノなど不適切なコンテンツの生成

これらの規約を守れば、Veo3はビジネスの強力な武器となります。

まとめ

本記事では、Googleの最新AI動画生成モデル「Veo3」について、その概要から使い方、他ツールとの比較、活用法までを網羅的に解説しました。

Veo3の重要ポイント

  • テキストや画像から「音声付き」の動画を生成できる唯一無二のAI。
  • 高精度なリップシンクとリアルな物理表現が強み。
  • 簡単な利用は「Gemini」、高度な編集は「Flow」で行う。
  • 利用には有料プラン(Pro/Ultra)が必要だが、無料トライアルで試せる。
  • 生成物の著作権はユーザーにあり、商用利用も可能。

Veo3は、映像制作の民主化を加速させる革命的なツールです。クリエイターからビジネスパーソンまで、あらゆる人々がアイデアを簡単に映像化できる時代が到来しました。

まずは無料トライアルから、Veo3の驚くべき性能を体感してみてください。あなたの創造力が、新たな動画コンテンツとして世界に発信される日も遠くないかもしれません。

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この記事の監修者

株式会社BuzzConnection/株式会社KAGEMUSHA 代表取締役CEO

2021年に独立し、株式会社BuzzConnectionを設立。複数の事業を運営し、現在はAIを活用したWebアプリケーションの開発、運用や生成AIの普及を目的としたセミナー研修の開催など多角的に活躍している。
2023年4月に株式会社KAGEMUSHAを創業。AI事業に大きく事業を展開。
AIアバターやデジタルヒューマン、AIチャットボット、AI研修など幅広い視点からAIの業務効率化を支援。

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