Salesforceの運用において、日々のデータ入力作業は現場の大きな負担となりがちです。
「入力ミスを減らしたい」「コア業務に集中する時間を増やしたい」と考える中で、Salesforce 入力 自動化の方法を模索している担当者も多いのではないでしょうか。
本記事では、外部ツールに頼らず、Salesforceの標準機能を使ってデータ入力を自動化する具体的な手順を解説します。
特に、現在主流となっている「Flow Builder」の設定方法を中心に、初心者でも設定しやすい「デフォルト値」の活用から、メール連携による入力レス化までを段階的に紹介します。
記事の手順に沿って設定を進めることで、手動入力の手間を削減し、正確なデータ管理を実現する環境を整えましょう。
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Salesforce入力自動化の全体像と機能の選び方

Salesforceには複数の自動化機能が搭載されていますが、目的に応じて適切な機能を選択することが重要です。
まずは自動化のレベルと、現在推奨されている機能について解説します。
自動化の3つのレベル(デフォルト値・フロー・外部連携)
入力自動化は、実現したい内容の複雑さに応じて以下の3つのレベルに分類できます。
- レベル1:デフォルト値の設定
レコード作成時に、あらかじめ決まった値や簡単な数式結果を初期値としてセットします。担当者の部署名を自動入力する、今日の日付を入れるなど、単純な初期入力の省略に適しています。 - レベル2:Flow Builder(フロー)による条件付き自動入力
特定の条件(例:商談フェーズが変更された時)を満たした場合に、関連する項目を自動更新します。複雑なロジックに基づくデータの自動書き換えや、関連レコードの更新に使用します。 - レベル3:外部連携・取り込み
メールやWebフォームの情報をSalesforceに直接取り込みます。手入力そのものをなくす「入力レス化」を実現します。
まずはレベル1から検討し、条件分岐が必要な場合はレベル2へ進むのが基本的な選び方です。
【重要】Workflow RuleとProcess Builderは非推奨
かつてSalesforceの自動化機能として利用されていた「ワークフロールール(Workflow Rules)」と「プロセスビルダー(Process Builder)」は、現在非推奨となっています。
Salesforce社はこれらの機能を廃止し、「Flow Builder」への移行を進めています。
これから新しく自動化設定を行う場合は、必ずFlow Builderを使用してください。古い機能で設定を行うと、将来的に移行作業が必要になるだけでなく、サポートが受けられなくなるリスクがあります。
入力自動化を始める前の準備と権限確認
自動化の設定を行う前に、以下の準備を整えてください。
- システム管理者権限
設定を行うユーザーには「システム管理者」プロファイル、またはフローの管理権限が必要です。 - Sandbox(サンドボックス)環境
本番環境で直接設定を変更すると、稼働中の業務に影響を与える可能性があります。必ずSandbox環境で設定とテストを行ってから、本番環境へ適用(リリース)してください。
【レベル1】最も簡単な「デフォルト値」の設定手順
最も手軽に導入できるのが、項目の「デフォルト値」設定です。
レコードを新規作成する際、最初から値が入った状態にすることで、入力の手間を省きます。
新規レコード作成時の初期値を設定する方法
固定の値をデフォルトとして設定する手順は以下の通りです。
- 画面右上の歯車アイコンをクリックし、[設定] を選択します。
- [オブジェクトマネージャー] タブをクリックし、対象のオブジェクト(例:商談)を選択します。
- 左側メニューの [項目とリレーション] をクリックします。
- デフォルト値を設定したい項目名をクリックし、[編集] ボタンを押します。
- 「一般オプション」セクションにある [デフォルト値] 欄に、初期表示したい値を入力します。
(テキスト項目の場合は"未対応"のように二重引用符で囲み、数値の場合はそのまま入力します) - [保存] をクリックします。
これで、次回から新規レコード作成画面を開いた際、指定した値が自動的に入力された状態になります。
数式を使った動的なデフォルト値の設定
固定値だけでなく、数式を使用して「操作しているユーザー」や「日付」に応じた値を自動セットすることも可能です。
前述の [デフォルト値] 欄にある [数式エディタの表示] をクリックし、以下の例のような数式を入力します。
- 今日の日付をセットする場合:
TODAY()
日付項目で使用します。作成日が自動で入るため、カレンダーから選択する手間が省けます。 - 作成者の部署名をセットする場合:
$User.Department
グローバル変数の$Userを使用することで、ログインしているユーザーの情報を動的に取得します。
【注意点】既存レコードには適用されない仕様
デフォルト値の設定は、設定後に「新規作成」されるレコードに対してのみ有効です。
すでに保存されている過去のレコード(既存データ)の値が自動的に書き換わることはありません。
既存データの値を一括変更したい場合は、「データローダ」などのツールを使用して更新作業を行ってください。
【レベル2】Flow Builderを使った条件付き自動入力手順
「もし〇〇なら××する」といった条件分岐や、レコード保存時の自動更新を行いたい場合は、Flow Builderを使用します。
ここでは、最も利用頻度の高いレコードトリガーフローの作成手順を解説します。
フローの新規作成とトリガー条件の設定
- [設定] のクイック検索ボックスに「フロー」と入力し、[フロー] を選択します。
- 画面右上の [新規フロー] をクリックします。
- [レコードトリガーフロー] を選択し、[作成] をクリックします。
- 開始を設定 画面でオブジェクト(例:商談)とトリガー条件(例:レコードが作成または更新されたとき)を選択します。
- フローを最適化 の項目で、フィールドの自動入力が目的の場合は [高速項目更新] を選択します。
条件分岐ロジックの作成(もし◯◯なら××を入力)
特定の条件下でのみ値を変更したい場合、「決定」要素を使って分岐を作成します。
- フローキャンバス上の [+] アイコンをクリックし、[決定] を選択します。
- 表示ラベル(例:フェーズ確認)を入力します。
- 結果の表示ラベル(例:フェーズが契約締結)を入力し、条件を定義します。
(例:{!$Record.StageName}がClosed Wonと一致する) - [完了] をクリックします。これでフローが分岐し、条件に合致するルートが作成されます。
レコード更新アクションの設定と有効化
条件分岐の先に、実際に値を書き換える処理(割り当て)を設定します。
「高速項目更新」を選択している場合、「割り当て」要素で値をセットするだけで自動的に保存されます。
- 条件分岐したルート上の [+] アイコンをクリックし、[割り当て] を選択します。
- 表示ラベル(例:完了予定日を更新)を入力します。
- 変数値を設定 で、対象の項目(例:
{!$Record.CloseDate})に新しい値(例:{!$Flow.CurrentDate})を割り当てます。 - [完了] をクリックし、画面右上の [保存] でフローを保存します。
- 最後に [有効化] をクリックして、自動化を稼働させます。
【レベル3】メール・カレンダー連携による入力レス化
Salesforceの画面を開いて入力する作業そのものを減らすには、メールやカレンダーとの連携機能が有効です。
Einstein活動キャプチャの概要と設定メリット
Einstein活動キャプチャ(Einstein Activity Capture) は、Microsoft OutlookやGoogle GmailとSalesforceを同期させる機能です。
送受信したメールやカレンダーの予定が、自動的にSalesforceの関連レコード(取引先責任者や商談など)の活動履歴に追加されます。
これにより、「メールを送った後にSalesforceにコピペする」という作業が不要になります。
[設定] > [Einstein 活動キャプチャ] からウィザードに従って接続権限を付与してください。
Webフォームからの顧客情報自動取り込み(Web-to-Lead)
自社Webサイトの問い合わせフォームに入力された情報を、手動で転記している場合は Web-to-Lead 機能を使用します。
Webフォームの入力内容を直接Salesforceの「リード(見込み客)」オブジェクトに取り込むことが可能です。
- [設定] > [Web-to-Lead] を検索します。
- [Web-to-Lead フォームの作成] をクリックします。
- フォームに含めたい項目を選択し、HTMLコードを生成します。
- 生成されたHTMLを自社サイトの問い合わせページに埋め込みます。
設定時によくある失敗とエラー回避策
自動化設定は便利ですが、設定ミスによりエラーが発生したり、データが意図せず書き換わったりするリスクがあります。
ここでは代表的な失敗例と回避策を解説します。
フローの無限ループとデータ競合を防ぐ設定
無限ループとは、フローによる更新が原因で、再び同じフローがトリガーされ、処理が止まらなくなる現象です。
これを防ぐために、フローの開始条件(エントリ条件)を厳密に設定する必要があります。
「レコードが更新されたとき」を選択する場合は、「条件の要件に一致するようにレコードを更新したときのみ」というオプションにチェックを入れるか、条件ロジックで「値が変更されている場合のみ実行」となるように設定してください。
入力規則(Validation Rule)エラーへの対処法
自動入力しようとした値が、オブジェクトに設定されている「入力規則」に違反している場合、フローはエラーとなり保存に失敗します。
自動化で入力する値が入力規則の条件を満たしているか確認しましょう。
必要に応じて、入力規則側の数式を修正し、「フローによる更新の場合は規則を適用しない」といった例外処理を追加することを検討してください。
意図しない大量更新を防ぐテスト方法
設定をいきなり本番環境で有効化するのは危険です。Flow Builderには [デバッグ] 機能があります。
- フロー作成画面の [デバッグ] ボタンをクリックします。
- テスト用のレコードを選択し、[実行] します。
- 実際にデータは更新されませんが(ロールバックモードの場合)、フローがどのルートを通り、変数がどう変化したかを詳細に確認できます。
意図通りの挙動になっていることを確認してから有効化しましょう。
入力自動化を成功させるための運用ポイント
システム的な設定だけでなく、運用ルールを整備することも自動化の成功には不可欠です。
完全自動化ではなく「確認プロセス」を残す重要性
すべての項目を自動入力にすると、誤ったデータが入力されても気づきにくくなります。
特に重要な契約金額やフェーズ変更などは、AIや自動化に任せきりにせず、最終的に人間が目視確認するプロセスを残すことを推奨します。
「下書き」までは自動で行い、担当者が内容を確認して「保存(確定)」ボタンを押す、といった運用フローを設計しましょう。
自動化ルールのドキュメント化とメンテナンス
Flow Builderなどで作成した自動化ロジックは、設定した本人以外には中身が分かりにくい「ブラックボックス」になりがちです。
「どの条件で、どの項目が、何に書き換わるのか」を一覧表にまとめ、担当者が変更になる際は必ずこのドキュメントを引き継ぎます。
フローの説明欄(Description)に処理の概要を記載しておくことも有効です。
まとめ
Salesforceの入力自動化は、外部ツールを使わずとも標準機能だけで多くの部分を実現できます。
- デフォルト値:単純な初期値入力の手間を削減。
- Flow Builder:条件に応じた柔軟な自動更新を実現(Workflow Rule等は非推奨)。
- 外部連携:メールやWebフォームからの入力を自動取り込み。
まずは「デフォルト値」の設定や、簡単な「レコードトリガーフロー」の作成から始めてみてください。
Sandbox環境でテストを行い、無限ループや入力規則エラーに注意しながら、段階的に自動化範囲を広げていくことが成功の鍵です。
日々の入力負荷を下げ、より付加価値の高い業務にSalesforceを活用していきましょう。
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株式会社KAGEMUSHAが提供する自律型AIエージェントは、定型業務の自動化から複雑なタスク進行まで、一連の業務フローをAIが主体的に遂行します。
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