【初心者向けガイド】生成AIの使い方のコツとは?

目次

はじめに

生成AIをうまく使いこなすためには、何よりも正確な指示(プロンプト)を出すスキルが重要です。このプロンプトの内容次第で、AIが生成するテキストや画像の質や精度が大きく変わります。

本記事では、生成AIを活用する際に役立つ指示の出し方のコツを7つのステップに分けてわかりやすく解説していきます。さらに、日常生活や業務での活用にそのまま使えるプロンプトのテンプレートもご紹介しています。初心者でも簡単に始められる、生成AIの効果的な活用法をぜひチェックしてみてください。

生成AIの使い方は指示(プロンプト)が重要

生成AIを効果的に活用するには、「プロンプト」と呼ばれる指示の出し方が非常に重要です。プロンプトとは、生成AIに対して行う具体的な指示や質問のことで、これによってAIがどのような結果を返すかが決まります。たとえば、曖昧な指示を出せば、AIも曖昧な回答を返す可能性が高くなります。一方で、明確かつ具体的な指示を与えることで、AIから期待通りの回答を得やすくなります。

プロンプトの工夫次第で、AIの生成する内容の質や精度が大きく変わります。例えば、テキスト生成AIに「夏にぴったりなレシピを教えて」と漠然と聞くのではなく、「簡単に作れる、暑い日におすすめの冷製パスタレシピを教えて」と具体的に指示することで、より満足度の高い回答を得ることができるのです。

コツをおさえてプロンプトを工夫すれば、効率よく理想の回答が得られるだけでなく、短時間で高品質なコンテンツを生成することが可能になります。生成AIを使いこなすための最初のステップは、この「プロンプト」を正確に出すことです。

生成AIの使い方のコツ!指示(プロンプト)作成の7ステップ

ここでは、生成AIの使い方として、指示(プロンプト)の出し方のコツを7つのステップに分けて解説します。 

目的(知りたい情報)を明確にしておく

生成AIに指示を出す際には、まず何を知りたいのか、何を得たいのかという目的を明確にしておくことが重要です。目的があいまいなままだと、AIが生成する回答も不確定なものになりがちで、期待通りの結果を得ることが難しくなります。

例えば、「おすすめの旅行先を教えて」と漠然と聞くと、AIはさまざまな観点で回答するため、自分が本当に知りたい情報が含まれないこともあります。しかし、「家族で行ける、予算が〇〇円以内の国内旅行先を教えて」といった具体的な指示を出すことで、AIはより目的に沿った回答を提供することが可能になります。

理想の結果を得るためには、最初に目的をはっきりさせることがカギです。

役割、タスク、条件を書き分ける

生成AIに正確な指示を出す際には、役割、タスク、条件を明確に分けて伝えることがポイントです。この際に便利なのが、「###」や「”””」といった区切り記号を使ったプロンプトの書き分けです。これにより、AIは指示の内容をより理解しやすくなり、役割に応じた回答を返してくれます。

たとえば、AIに特定の役割を与えた上で、実行すべきタスクや条件を明示すると、期待通りの結果を得やすくなります。以下はその具体例です。

区切りを使ったプロンプト例➀

### 役割:

あなたは旅行アドバイザーです。

### タスク:

家族4人で行ける国内旅行のプランを作成してください。

### 条件:

– 予算は1人5万円以内

– 子ども向けのアクティビティがある場所

– 滞在期間は2泊3日

区切りを使ったプロンプト例②

“””

役割:

あなたは健康の専門家です。

タスク:

高齢者向けの簡単な運動メニューを3つ紹介してください。

条件:

– 運動は30分以内で完了するもの

– 自宅でできるエクササイズ

– 運動器具は使わない

“””

このように、「###」や「”””」を使って役割、タスク、条件を明確に書き分けることで、AIはそれぞれの項目をしっかりと理解し、役割に基づいた適切な回答を生成します。これにより、結果の精度が上がり、より満足度の高い回答を得ることができます。

具体的に書くと精度が上がる

前述したとおり、生成AIに指示を出す際、具体的に書くほど精度が高まります。たとえば、「○○を教えて」という曖昧な指示では、AIがどの深さや視点で情報を提供すればいいのか判断しにくくなります。対照的に、「○○について中学生でも分かるように300文字以内で教えて」といった具体的な指示を出すことで、AIは適切なレベルと範囲で回答を作成することができ、理想的な結果を得やすくなります。

細かな条件や目的を伝えることで、AIはその指示に応じた質の高い、適切なコンテンツを生成します。これは時間の節約にもつながり、効率よく作業を進めるための大切なポイントです。

プロンプト例

【曖昧な指示】

「温暖化について教えて」

【具体的な指示】

「温暖化の原因について、中学生が理解できるように300文字以内で説明してください。また、CO2排出の影響も含めてください。」

このように、質問の対象や目的、条件を具体的にすることで、AIがより正確で役に立つ回答を提供できるようになります。

条件の部分に参考例を書く

生成AIに指示を出す際に、「条件」をより具体的に伝える方法として、参考例を箇条書きにして示すのは非常に効果的です。条件が曖昧な場合、AIがどのような形式や内容で応答すべきかを誤解してしまうことがあります。しかし、参考例を示すことで、AIはより明確に指示を理解し、期待通りの回答を生成しやすくなります。

箇条書きの形式は情報を整理しやすく、複数の条件を一度に提示する際に特に有効です。たとえば、希望するスタイルや内容を例示することで、AIがどのように内容を構成すればよいかが一目瞭然となります。

プロンプトの例

「中学生向けの読書感想文の書き方について説明してください。具体的には、以下の条件を参考にしてください。」

・文の長さは300文字以内

・分かりやすい例を1つ挙げる

・「感想」と「結論」を明確に分ける

このように、箇条書きを使って条件を整理しながら提示することで、AIはそのガイドラインに従い、より目的に合った応答を提供します。特に複数の要素を含めたい場合や、特定のフォーマットを要求する際に効果的です。

「~しないでください」より「~してください」

生成AIに指示を出す際、「~しないでください」という否定形の指示より、「~してください」といった肯定形の指示のほうが、AIが正確に理解しやすくなります。否定形の指示は、AIにとって解釈が難しく、誤った結果を返す可能性が高まるためです。

一方、肯定的な表現で明確に「こうしてください」と伝えることで、AIはその通りの指示に従い、期待通りの回答を生成します。

否定形の指示は、AIに「何をしないか」を判断させる必要があるため、回答が曖昧になりやすいです。代わりに、何をしてほしいのかを明確に伝えると、スムーズで的確な応答が得られます。

あいまいな表現は避ける

生成AIに指示を出す際には、あいまいな表現を避けることが重要です。曖昧な言葉や漠然とした指示では、AIが正確に意図を理解できず、期待とは異なる回答を返してしまうことがあります。例えば、「詳しく教えて」という指示は、どの程度詳しくすべきか判断がつかないため、回答の質がばらつく原因になります。

一方、具体的な内容や基準を提示することで、AIがその情報に基づいて適切な回答を生成しやすくなります。例えば、文字数、対象読者、説明の深さなどを具体的に指定すると、AIの応答が一貫し、理想的な結果が得られる可能性が高まります。

徐々に質問を絞る使い方もあり

生成AIを使う際、すぐに理想の回答が得られないこともあります。しかし、最初から完璧な指示を出す必要はなく、徐々に質問を絞っていく方法も効果的です。最初のプロンプトで得た回答がイメージと異なる場合、そこからヒントを得て質問を修正・具体化し、再度指示を出すことで、徐々に理想の結果に近づけることができます。

このプロセスは、試行錯誤しながらAIの理解を補完していく作業とも言えます。AIは前の指示に基づいて次の回答を作るわけではないので、新しい指示を繰り返し出すことで、必要な情報や表現にたどり着く可能性が高まります。

プロンプト例

「持続可能な開発について簡単に教えてください。」

「持続可能な開発の具体例を教えてください。」

「持続可能な開発の3つの重要な要素を200文字以内で教えてください。」

このように、一度で理想の回答を得られなくても、段階的に質問を修正していくことで、生成AIからより正確な情報を引き出すことができます。

すぐ活用できる生成AI指示(プロンプト)のテンプレート

ここでは、日常生活や業務で使えるプロンプトを具体例とともに紹介します。

メール作成・返信

プロンプト例

以下の内容に基づいて、クレーム対応のメールを作成してください。

宛先: 田中太郎様

目的: 商品の不具合に関する謝罪と対応の提案

背景: 田中様が購入された商品に不具合があり、返品を希望している

伝えたい内容:

・まず、謝罪をし、商品不具合についての認識を示す

・返品手続きの方法と今後の対応策を提案する

・必要があれば、新しい商品を送る選択肢も提示する

・最後に、迅速な対応を約束し、今後ともよろしくお願いする

実際の回答例

文章の要約

プロンプト例

あなたはWebライターです。以下の文章を300文字以内に要約してください。

###文章:”””

本節ではAIを用いてトランプ氏とハリス氏の討論会動画を分析した衝撃的な結果を報告する。分析は以下の3つの視点から行った。討論の勝敗、政策比較、有権者への訴求力である。これらの視点を通じて、両候補の対照的な姿勢と戦略が鮮明に浮かび上がった。

まず、討論の勝敗についてのAIの分析結果は、予想以上に明確な差を示した(図表1)。ハリス氏が80点、トランプ氏が55点と、AIはハリス氏が圧倒的優位という評価を下した。

この背景には、両候補の対照的な討論スタイルがある。AIによると、ハリス氏は落ち着きと自信に満ちた態度で議論に臨み、具体的な政策や数字を交えて論理的な主張を展開した。さらに、個人的な経験を巧みに織り交ぜ、聴衆の共感を誘う語り口は特に効果的だった。

一方、AIによると、トランプ氏の討論は攻撃的な言動が目立ち、具体的な政策論よりも相手への個人攻撃や感情的な発言に終始する場面が多く見られた。特筆すべきは、トランプ氏の発言に事実と異なる内容や根拠の薄い主張が散見され、これが信頼性を大きく損なう結果となった点である。

“””

###条件:”””

・200文字程度

・「です」「ます」調

“””

実際の回答例

※上記はこちらの記事の文章の一部を200字程度で要約させた結果です。

文章の執筆

プロンプト例

以下の条件に基づいて、ブログ記事を執筆してください。

・役割: ライター

・背景: 健康志向の人々が増えている中、簡単にできるヘルシーなレシピを紹介する

・ターゲット: 20代から30代の忙しい働く女性

・条件:

レシピは10分以内で作れること

材料は手に入りやすいものを使用

・目的: 読者に手軽に健康的な食事を楽しんでもらうための情報提供

・キーワード: ヘルシー、簡単レシピ、時短

・文体: フレンドリーで親しみやすいトーン

・出力フォーマット: 見出し付きのブログ記事形式(例:タイトル、イントロ、レシピ、まとめ)

実際の回答例

文章の校正

プロンプト例

以下の文章について、誤字・脱字を見つけて、修正すべき箇所をすべて挙げてください。その上で、修正した後の文章案を作成してください。

###校正してほしい文章:”””

いつも大変お世話になっております。

先日はお食事に誘っていただきありがとうございました。

美味い料理とともに、興味深いお話をお聞きすることができ、大変有意義な時間を過ごせました。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

“””

実際の回答例

議事録の作成

プロンプト例

あなたは、会議の議事録の作成担当です。以下の「発言メモ」をもとに、会議の議事録を作成してください。

###発言メモ:”””

・XX:XXXXXXXXXXXXXXXX

・XX:XXXXXXXXXXXXXXXX

・XX:XXXXXXXXXXXXXXXX

“””

###条件:”””

・期日、決定事項の要旨、ToDoを冒頭に記載する

・箇条書き

“””

画像の作成

プロンプト例

次の条件に基づき、画像を作成してください。

###条件:”””

・近未来の都市をイメージした画像であることが一目で分かる

・アニメ調

・縦:横=1:2

”””

実際の回答例

Excel・関数の作成

プロンプト例

次の条件に基づいて、Excelの表を作成するための指示を作成してください。

・目的: 月間売上データの管理

・列名:

日付

商品名

売上数量

単価

総売上(数量 × 単価)

・データ範囲: 2024年1月から2024年12月までの各月

・条件:

各商品の売上データはランダムで生成し、商品名は「商品A」「商品B」「商品C」

などとする

総売上は自動計算されるように、適切な関数を設定する(例:=B2*C2)

・フォーマット:

日付は「yyyy/mm/dd」形式

売上数量と単価は数値形式、小数点以下2桁表示

実際の回答例

まとめ

この記事では生成AIの使い方のコツとして指示(プロンプト)の重要性や作成のポイント、具体例などについてご紹介しました。本記事のまとめは以下の通りです。

●生成AIをうまく使いこなすためには、正確な指示(プロンプト)を出すスキルが重要である。
●指示(プロンプト)を出すにあたり、7つのステップを踏まえてプロンプトを作成するとよい。
●コツをおさえてプロンプトを工夫して作成すれば、効率よく理想の回答が得られるだけでなく、短時間で高品質なコンテンツを生成することが可能になる。

その他のAIツールについても、こちらから解説しています。ぜひお役立てくださいね。

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    この記事の監修者

    株式会社BuzzConnection/株式会社KAGEMUSHA 代表取締役CEO

    2021年に独立し、株式会社BuzzConnectionを設立。複数の事業を運営し、現在はAIを活用したWebアプリケーションの開発、運用や生成AIの普及を目的としたセミナー研修の開催など多角的に活躍している。

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