AIコードエディタ「Cursor」は、開発者の生産性を飛躍的に向上させるツールとして注目を集めています。
現場のエンジニアから導入要望が上がる一方で、管理部門やDX推進担当者にとっては「セキュリティリスク」「コスト管理」「ガバナンス」が大きな懸念材料となります。
特に、ソースコードという機密情報を扱う性質上、個人プラン(Pro)の経費精算運用ではなく、組織として管理可能な法人契約への移行を検討する企業が増えています。
本記事では、Cursorの法人向けプランである「チーム(Teams)」および「企業(Enterprise)」プランについて、機能差分、セキュリティ仕様、契約フローを整理しました。
自社のセキュリティ基準や運用体制に照らし合わせ、導入可否を判断するための材料としてご活用ください。
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Cursorの法人契約におけるプラン体系と選び方
Cursorを組織で導入する場合、個人向けの「Pro」プランではなく、法人向けの「Teams」または「Enterprise」プランを選択することが推奨されます。
ここでは、法人契約が必要な理由と、プラン選定の基準を解説します。

法人利用の主な選択肢
個人利用を想定したProプランとは異なり、法人向けプラン(チーム / 企業)は、組織としての管理機能とセキュリティ制御が強化されています。
決定的な違いは「管理者がユーザーを一元管理できるか」という点です。
法人プランでは、管理者がメンバーの招待や削除を行えるほか、支払いを組織で一括管理できます。これにより、退職者のアクセス権が残り続けるリスクや、個人のクレジットカード精算による事務負担を解消できます。
また、セキュリティ面では「Privacy Mode(プライバシーモード)」の強制適用など、組織全体のガバナンスを効かせる機能が提供されています。
チーム(Teams)プランが向いている組織
「Teams」プラン(一部でBusinessと呼ばれることもあります)は、主に以下のような組織に適しています。
小〜中規模の開発チーム:
複雑な階層管理が不要で、迅速に導入したい場合。
クレジットカード決済が可能:
請求書払いが必須ではなく、法人カード等での支払いが許容される場合。
SSOが必須ではない:
GoogleアカウントやGitHubアカウント等によるログインで運用上問題ない場合。
TeamsプランはWeb上での手続きで完結しやすく、スモールスタートに適した設計となっています。
企業(Enterprise)プランが必要となる組織
「Enterprise」プランは、より厳格なセキュリティ基準と管理機能が求められる組織向けです。以下の条件に当てはまる場合は、Enterpriseプランが有力な選択肢となります。
全社規模での導入:
数十〜数百名規模での利用や、部署ごとの細かい権限管理が必要な場合。
SSO/SAML認証が必須:
OktaやEntra ID(旧Azure AD)などと連携し、ID管理を統合したい場合。
監査ログが必要:
「誰がいつ何をしたか」という操作ログの取得がコンプライアンス上必須である場合。
請求書払い/発注書払いを希望:
企業の購買プロセス上、クレジットカード決済が難しい場合。
料金体系とコスト試算の目安
導入判断において重要なコスト構造について解説します。なお、記載する価格情報は調査時点のものであり、変動する可能性があります。

チーム(Teams)プランの価格設定と課金モデル
チーム(Teams)プランは、利用するユーザー数(シート数)に応じた従量課金ではなく、契約したシート数に基づく定額課金モデルです。
- 月契約: 1ユーザーあたり月額40ドル
- 年契約: 1ユーザーあたり月額32ドル(約20%の割引)
利用量(AIへのリクエスト数など)による変動課金ではないため、予算計画が立てやすいのが特徴です。ただし、為替レートの影響を受ける点には注意が必要です。
企業(Enterprise)プランの見積もり構造
企業(Enterprise)プランは「カスタム価格」となっており、公式Webサイト上に固定価格は公開されていません。
個別見積もり:
導入規模、契約期間、必要なサポートレベルなどに応じて価格が決定されます。
契約条件の協議:
料金だけでなく、契約期間や解約条件についても個別協議となるケースが一般的です。
具体的な金額を把握するには、Cursorの営業担当へ問い合わせを行い、見積もりを取得する必要があります。
支払い方法と請求書対応の可否
法人契約における決済手段は、プランによって明確に分かれています。
チーム(Teams)プラン:
原則としてクレジットカード(Stripe経由など)による支払いです。Web管理画面からカード情報を登録して決済します。
企業(Enterprise)プラン:
請求書払い(Invoice)や発注書(PO)による支払いに対応しています。
日本企業の商習慣として請求書払いが必須である場合は、Enterpriseプランを選択する必要があります。
【重要】セキュリティ方針とデータ学習の取り扱い
生成AIツールの導入において、最も懸念されるのが「入力したコードがAIの学習データとして利用され、流出するリスク」です。Cursorの仕様と対策について整理します。
入力コード・データのAI学習利用に関する規定
Cursorには、入力データをサーバー側に保存せず、AIモデルの学習にも利用させない「Privacy Mode」という設定が存在します。
法人導入の際は、このモードが確実に適用されているかどうかが重要な判断基準となります。
公式情報では、入力データの学習利用に関する詳細な規定は明示されていませんが、TeamsおよびEnterpriseプランでは、このプライバシー設定を組織レベルで制御する機能が提供されています。
管理者による「Privacy Mode」の強制適用
個々のエンジニアに設定を委ねる運用では、設定ミスによる意図しないデータ送信のリスクが残ります。
TeamsおよびEnterpriseプランでは、管理者が組織全体に対して「Privacy Mode」を強制適用する機能があります。
これにより、所属するメンバー全員が、強制的に「学習に利用されない設定」で利用することになり、ガバナンスを担保できます。情シス部門としては、この機能の活用が導入の必須条件となるケースが多いでしょう。
データ保存場所と暗号化に関する確認事項
データの保存場所(リージョン)や、保存時の暗号化方式、SOC2などの第三者認証の取得状況については、公式の公開情報では詳細が明示されていません。
金融機関や高度な機密情報を扱う企業において、データの国内保存や特定の暗号化基準が必須となる場合は、Enterpriseプランの検討プロセスにおいて、営業窓口へ詳細なセキュリティシートの確認やヒアリングを行う必要があります。
管理機能・SSO・ガバナンス制御
組織としてツールを運用するための管理機能について、プランごとの違いを解説します。
ユーザー管理とライセンスの付与・剥奪
法人プランでは、管理ダッシュボードを通じてライセンス(シート)の管理が可能です。
招待と削除:
メールアドレスベースでメンバーを招待し、退職や異動の際には速やかにアクセス権を削除できます。
ロールベースアクセス制御(RBAC):
管理者や一般ユーザーといった権限の割り当てが可能です。
これにより、会社が把握していない「野良アカウント」の発生を防ぎ、適切なライセンス管理を実現します。
シングルサインオン(SSO)と認証セキュリティ
ID管理の効率化とセキュリティ強化に不可欠なSSO機能は、プランによって対応状況が異なります。
チーム(Teams)プラン:
一般的なメールアドレス認証やGitHub連携などが主となります。
企業(Enterprise)プラン:
SAML、OIDC(OpenID Connect)によるSSOに対応しています。また、SCIMによるユーザープロビジョニング(自動的なアカウント作成・削除)も利用可能です。
OktaやEntra IDなどで全社のIDを一元管理している企業の場合、Enterpriseプランが適合します。
監査ログと利用状況のモニタリング
不正利用の検知や利用状況の把握に必要なログ機能についても差分があります。
チーム(Teams)プラン:
基本的な利用状況の分析やレポート機能が提供されます。
企業(Enterprise)プラン:
より詳細な「AI Code Tracking API」や「監査ログ」が提供されます。
セキュリティインシデント発生時の追跡可能性(トレーサビリティ)を重視する場合は、Enterpriseプランの監査ログ機能が重要になります。
契約条件と導入までの実行プロセス
実際に導入を進める際の手順と契約条件について整理します。
チーム(Teams)プランの契約フロー
Teamsプランは、基本的にWeb完結のセルフサーブ型で契約可能です。
1. アカウント作成: 管理者がCursorのアカウントを作成。

2. プラン選択: プラン選択画面で組織(Team)を作成。

3. 決済情報登録: クレジットカード情報を登録。
4. メンバー招待: チームメンバーをメール等で招待。
営業担当とのやり取りが不要なため、即日利用開始できるスピード感がメリットです。
企業(Enterprise)プランの契約フロー
Enterpriseプランは、営業担当を介した契約プロセスとなります。
1. 問い合わせ: 公式サイトのフォームから営業担当へ連絡。
2. 要件ヒアリング: 利用規模、セキュリティ要件、SSOの有無などを確認。
3. 見積もり・提案: カスタム価格と契約条件の提示。
4. 契約締結: 契約書(Order Form等)への署名。
5. 環境構築・オンボーディング: SSO設定や管理者トレーニングの実施。
導入までには一定のリードタイム(数週間〜)を見込んでおく必要があります。
契約期間と解約・変更の柔軟性
Teamsプラン:
月次契約と年次契約が選択可能です。月次契約であれば、プロジェクトの終了に合わせて柔軟に解約やシート数の減数が可能です。
Enterpriseプラン:
一般的に年単位の契約となるケースが多く、途中解約や減数に関する条件は契約ごとの個別協議事項となります。
導入可否を判断するためのチェックリスト
最後に、自社がCursorを導入すべきか、どのプランを選ぶべきかを判断するためのポイントをまとめます。
導入を見送る・再検討すべきケース
以下の条件に当てはまる場合、導入には慎重な検討または見送りが必要です。
完全オンプレミス環境が必須:
クラウドへの通信が一切遮断されている環境では、CursorのAI機能(クラウドベース)は利用できません。
コードの外部送信が一切禁止:
Privacy Modeを利用しても、処理のために一時的にコードがサーバーへ送信されるアーキテクチャが許容されない場合。
導入前に社内確認すべき3つのポイント
スムーズな導入判断のために、以下の3点を事前に関係部署と確認してください。
1. コードの外部送信許容範囲:
「学習に利用されなければ、処理のための送信は許容されるか」を法務・セキュリティ部門と合意形成する。
2. 決済手段(クレカ可否):
部門のコーポレートカードで決済可能か、請求書払いが必須かを確認する(これでプランが決まります)。
3. SSO必須有無:
全社セキュリティポリシーとして、SaaS導入時のSSO連携が義務付けられているかを確認する。
まとめ
Cursorの法人導入における判断材料を整理しました。
チーム(Teams)プランが向いている可能性がある企業:
・クレジットカード決済が可能である。
・SSO連携は必須要件ではない。
・まずは特定チームでスモールスタートし、Privacy Modeの強制管理を行いたい。
企業(Enterprise)プランが必要となる可能性がある企業:
・請求書払い(Invoice)が必須である。
・OktaやEntra IDなどによるSSO/SAML連携が必須である。
・詳細な監査ログの取得や、個別のセキュリティチェックへの回答が必要である。
注意が必要な企業:
・ソースコードの外部送信(一時的な処理含む)が一切認められていない組織。
・具体的なSLAやデータ保存場所の指定が必須要件となる組織(Enterpriseでの個別確認が必要)。
自社のセキュリティポリシーと照らし合わせ、適切なプランを選択してください。Enterpriseプランの詳細な条件については、公式窓口への問い合わせが必要です。
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株式会社KAGEMUSHAのAI研修は、現場業務に直結する実践型カリキュラムで、AI活用を「知識」で終わらせず「使えるスキル」として定着させます。
DX担当者・現場メンバーそれぞれのレベルに合わせ、生成AI・業務自動化・AIエージェント活用まで幅広く対応。
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