はじめに
近年、AI技術の進化はビジネスのあらゆる分野に多大な影響を及ぼしています。特に、AIサービスの存在感は急速に増しており、企業の業務プロセスや顧客対応に革新をもたらしています。この記事では、OpenAIが開発したAIチャットボット「ChatGPT」を社内で活用する方法とそのメリットについて詳しく解説します。
ChatGPTとは
ChatGPTの基本情報
ChatGPTは、OpenAIによって開発された高度なAIチャットボットです。このモデルは、大規模なデータセットでトレーニングされており、自然言語処理技術を駆使して、人間のような対話を実現します。また、OpenAIの最先端技術を活用することで、多様な質問や要求に対応できるよう設計されています。
主な特徴
1.高度な自然言語処理技術
ChatGPTは、最新の自然言語処理技術を利用して、ユーザーの意図を正確に理解し、適切な応答を生成します。この技術により、文脈に基づいた自然な会話が可能となります。
2.多言語機能
ChatGPTは、多言語対応が可能であり、世界中のさまざまな言語でのコミュニケーションをサポートします。これにより、グローバルなユーザーに対しても効果的に対応できる点が大きな魅力です。
ChatGPT社内利用のメリット
業務効率化
ChatGPTを導入することで、タスクの自動化が進み、迅速な対応が可能になります。例えば、日常的な問い合わせへの対応やデータの整理、レポート作成など、ルーティンタスクをChatGPTに任せることで、社員はより創造的な業務に専念することができます。
コスト削減
ChatGPTは、労働時間とリソースの節約にも貢献します。人手による作業を自動化することで、人件費の削減が可能です。また、24時間365日稼働するため、シフト勤務や追加のリソースを必要とせず、効率的な運用が実現できます。
24/7対応
ChatGPTは、いつでも利用可能なサポートを提供します。これにより、社員は時間に制約されることなく、必要な情報や支援を受けることができます。特に、異なるタイムゾーンで業務を行うグローバルなチームにとって、24/7対応は大きなメリットとなります。
ChatGPTの導入事例
カスタマーサポート
BASE株式会社は、自社が運営するネットショップ作成サービス「BASE」と購入者向けショッピングサービス「Pay ID」のWebヘルプページに、SELF株式会社のChatGPTとの連携システム「SELFBOT」を導入しています。これにより、ユーザーはボットとの会話を通じて「BASE」や「Pay ID」に関する疑問を解決できるようになり、カスタマーサポートチームにとっても、業務の効率化や対応工数の削減、顧客ニーズの探索といった部分で役立っています。
参考URL:
人事・総務
セコムグループの株式会社TMJは、株式会社ギブリーが提供する「法人GAI Powered by GPT-4」を利用し、コールセンターやオペレーション部門、採用・マーケティング、育成などの領域での支援を目的とした活用を行っています。採用・マーケティング部門では、求人広告表現、オウンドメディアコンテンツ作成・構成の提案
などに活用しており、育成・支援部では、研修プログラム開発・作成や社内ナレッジの収集整理、応対品質の評価指標への応用などを行っています。
参考URL
https://www.tmj.jp/news/20230614_22353
https://www.tmj.jp/news/20230614_22353
https://callcenter-japan.com/article/6391/1
営業支援
楽天生命保険株式会社は、ChatGPT APIを対面募集代理店向けの専用端末に導入しています。これにより、代理店向けの専用端末に既に導入されているAIアシスタント「ARIA」に加え、ChatGPT APIが連携され、24時間365日、営業活動時の留意点や話題提供などによる、営業活動のサポートが強化されてます。Microsoft Azureのセキュリティ基準を利用し、安全に運用されており、楽天生命は最先端技術を駆使して顧客サービスの向上を目指しています。
参考URL
https://www.rakuten-life.co.jp/about/news/230703.html
ITサポート
LINEヤフーは、約7000名のエンジニア全員に、GPTを利用したツール「GitHub Copilot for Business」を導入しています。これはAIがコード記述を提案し、エラーや最適化ポイントを指摘するツールです。約550名のエンジニアでテスト導入を行い、コーディング時間の削減や生産性向上が確認されたため、正式導入が決定されたという経緯があります。導入に際し、著作権侵害防止の講習やeラーニングを必須とし、複数レビューのルールの設定を行っており、LINEヤフーはこのツールを活用してエンジニアの生産性向上を目指しています。
参考URL
https://codezine.jp/article/detail/18577
ChatGPTと連携するツール
プロジェクト管理ツール
ChatGPTはAsanaやTrelloと連携して、プロジェクト管理をより効率的に行うことができます。Asanaはタスクの計画、管理、進捗の追跡に優れたツールであり、Trelloはカンバン方式でのタスク管理に特化しています。これらのツールとChatGPTを連携させることで、タスクの自動化やプロジェクトの進捗状況のリアルタイムでの報告が可能になります。
- Asana連携:APIを利用してタスクの自動生成やステータス更新を行います。
- Trelloとの連携:ボードやカードの作成・編集をChatGPTを通じて実施します。
コミュニケーションツール
SlackやTeamsとの統合により、ChatGPTはチームのコミュニケーションを円滑にします。Slackはチャットベースのコミュニケーションツールであり、Teamsはビデオ会議やファイル共有機能を備えた統合コミュニケーションプラットフォームです。ChatGPTをこれらのツールに組み込むことで、例えば、定期的なミーティングのスケジュール調整や、重要なメッセージの自動通知などが可能になります。
- Slack統合:ボット機能を活用して、チャット内でのタスク管理や情報提供を自動化します。
- Teamsとの連携:会議中のリアルタイムアシスタントとして機能し、必要な情報を即座に提供します。
CRMシステム
SalesforceなどのCRMシステムと連携することで、顧客管理が一層効率的になります。Salesforceは顧客データの管理、販売プロセスの最適化、マーケティング活動の統合に優れたプラットフォームです。ChatGPTをSalesforceと連携させることで、例えば、新規リードの自動登録、顧客対応履歴の自動記録、フォローアップタスクの自動生成などが実現できます。
- Salesforce連携:APIを通じて顧客データの検索、更新、レポート生成を可能にします。
ChatGPTの導入方法
初期設定
アカウント作成
→ChatGPTの公式サイトにアクセスし、アカウント作成ページに移動します。
→必要な情報(メールアドレス、パスワードなど)を入力し、アカウントを作成します。
→登録したメールアドレスに送信される確認メールを開き、リンクをクリックしてアカウントを確認します。
初期設定
→アカウントにログイン後、プロフィール情報や会社情報を入力します。
→設定メニューから、基本設定(言語、タイムゾーンなど)を行います。
→APIキーの取得や、必要なプラグインのインストールを行います。
運用方法
1.タスクの自動化
ルーティンタスクや定型業務はChatGPTに任せることで、社員の負担を軽減できます。例えば、日々の報告書作成や問い合わせ対応など。
2.定期的なメンテナンス
ChatGPTのパフォーマンスを維持するために、定期的なメンテナンスとアップデートが必要です。設定やプラグインの確認、APIキーの有効期限管理などを行いましょう。
3.フィードバックの活用
フィードバックを積極的に収集し、ChatGPTの運用改善に役立てましょう。定期的な評価と改善を行うことで、より効果的な運用が可能になります。
カスタマイズ
1.プラグインの導入
- カレンダープラグイン
会議のスケジュール管理やリマインダーの設定に便利です。
- TimeNavi
GoogleカレンダーまたはOffice 365/Outlook カレンダーと連携して、時間管理、活動分析、そして新規予定作成をサポートするツールです。
- タスク管理プラグイン
プラグインとの連携で、タスク管理を効率化します。
- Reminders
リマインダーの追加や削除、タグ付けが可能になり、タスク管理の効率化が図れます。また、タスクの期限が近づくと通知が届くという機能もあります。 これにより、タスクの遅延や漏れを防ぎ、進捗管理に役立たせられます。
2.外部ツールの統合(ChatGPTと連携するツールに詳しく記載)
- コミュニケーションツール
SlackやTeamsと統合し、チャットボットとして活用することで、社内コミュニケーションを円滑にします。
- CRMシステム
Salesforceとの連携で、顧客データの管理や営業活動の効率化を図ります。
3.カスタムスクリプト
社内特有の業務プロセスに合わせたスクリプトを作成し、ChatGPTの機能を拡張します。例えば、特定のフォーマットでのレポート作成やデータ分析など、自分だけの最適な機能を実装することができます。ただし、一般的なプログラミングなどのスキルと知識が必要になってしまいます。
ChatGPT導入の課題と対策
データセキュリティ
ChatGPTを導入する際の最も重要な課題の一つがデータセキュリティです。機密情報や個人情報が含まれる可能性があるため、これらのデータを適切に保護する対策が求められます。具体的な対策としては、データの暗号化、アクセス制御、監査ログの導入などがあります。また、セキュリティポリシーの定期的な見直しと更新を行い、最新の脅威に対応できるようにすることも重要です。
運用コスト
ChatGPTの運用にかかるコストも無視できない課題です。初期導入費用だけでなく、運用やメンテナンスにかかるコストも考慮する必要があります。コスト管理と最適化のためには、クラウドサービスの利用やリソースの適切な配分が重要です。また、定期的なコスト分析を行い、無駄な支出を削減するための施策を講じることも有効です。
従業員教育
ChatGPTを効果的に活用するためには、従業員への適切なトレーニングとサポートが不可欠です。利用方法のトレーニングを通じて、従業員がChatGPTの機能を十分に理解し、業務に活用できるようにします。トレーニングの他に、利用中に発生する問題や疑問に対するサポート体制を整えることも重要です。これにより、従業員のスキル向上と業務効率の向上が期待できます。
まとめ
今回は、ChatGPTをはじめとするAIを社内活用するメリットについて解説しました。まとめは以下の通りです。
●ChatGPTを活用して好循環を生み出している企業は多くある
●ChatGPT単体だけでなくそれを利用した外部ツールを導入する選択肢もある
その他のAIツールについても、こちらから解説しています。ぜひお役立てくださいね。
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