Dify入門シリーズ:初心者のためのガイド|初心者でも簡単にAIチャットボットを作成できる

Difyは、大規模言語モデル(LLM)を活用したAIアプリケーションの開発と運用を簡素化するためのオープンソースプラットフォームです。このプラットフォームの最大の特徴は、プログラミングの知識がなくても高度なAI機能を持つアプリケーションを容易に構築できる点にあります。この記事では、Difyの概要と特徴、活用方法、主要機能について詳しく解説します。

https://twitter.com/dify_ai/status/1777383670522990998

RAGを活用したチャットボットやAIエージェント、ドラッグ&ドロップで直感的に構築できるAIワークフローを、ノーコードで簡単に作成できます。

Difyは、LangChainと同様の機能を持ちながら、よりシンプルに実装可能な点が特長です。公式ページにも「LangChainよりも本番環境に適している」と明記されており、その手軽さが注目されています。

今回は、Githubで3万以上のスターを獲得し話題沸騰中のDifyについて、その概要と実際に使ってみた感想をお伝えします。

Difyの概要と特徴

前述の通り、Difyは大規模言語モデル(LLM)を活用したアプリケーションの開発と運用を簡素化するためのオープンソースプラットフォームです。このプラットフォームを運営しているのは、2023年に設立された米国のAIテクノロジー企業 LangGenius, Inc. という新興企業です。

dify画像
参考:https://dify.ai/jp


Difyの最大の特徴は、RAGを活用したチャットボットやAIエージェント、ドラッグ&ドロップインターフェースを用いて、ノーコードでAIワークフローを構築できる点にあります。

通常、LLMを活用したアプリケーションの開発や運用には、AIに関する専門知識や高度なプログラミング技術が求められることが多いですが、Difyを使えば難解なコーディングなしで、視覚的にプログラムを作成できます。

さらに、日本語にも対応しており、誰でも簡単に利用できるオープンプラットフォームとして幅広いユーザーに支持されています。

Difyでできることや特徴について下記にてまとめました。

1. ノーコード開発

ドラッグ&ドロップインターフェースを採用しており、直感的な操作でAIワークフローやチャットボットを構築できます。これにより、プログラミング経験がないユーザーでもAIアプリケーションを作成可能です。

2. 多様なモデルサポート

Difyは、さまざまなAIモデルプロバイダーをサポートしており、柔軟性が高いのが特徴です。以下のモデルプロバイダーに対応しています:

  • OpenAI:ChatGPTやGPTシリーズを提供。
  • Anthropic:LLM開発を手掛けるスタートアップのAIモデル。
  • Azure OpenAI:マイクロソフトのクラウドサービスと連携したモデル。
  • Llama2:メタ社が提供する高性能なオープンソースモデル。
  • Hugging Face:さまざまな自然言語処理モデルを集約したプラットフォーム。
  • Replicate:モデルを簡単に実行できるクラウドベースのサービス。

これらのモデルプロバイダーを活用することで、Difyは多様なニーズに対応する柔軟性を提供しています。

3. RAG(Retrieval-Augmented Generation)機能

Difyには、独自のナレッジベースを構築し、それを活用してAIアプリケーションを作成する機能があります。このRAG機能により、特定のドメイン知識を必要とする高度なアプリケーションの開発が可能です。

4. 柔軟なカスタマイズ

Difyは、ビジネスや組織のニーズに応じてアプリケーションを自由にカスタマイズできます。これにより、汎用的なAIソリューションではカバーしきれない特定の要件にも対応できます。

5. LangChainとの比較

DifyはLangChainと類似した機能を提供していますが、よりシンプルに実装できる点や、本番環境での運用が容易である点が特徴です。開発速度と実用性の両立を実現しています。

6.オープンソースモデル

Difyの大きな特徴の一つは、オープンソースモデルであることです。これにより、無料で利用できる手軽さが魅力となっています。運営元のLangGenius, Inc.は、2023年に設立された新興企業ながら、米国の法律やデータポリシーを順守しており、グローバルな多様性を持つチームで運営されています。このように運営基盤がしっかりしている点は、利用者にとって大きな安心材料です。

さらに、利用規約が明確に記載されているため、規約を守れば安全に利用できるのもオープンソースプラットフォームの利点です。業務利用から個人的な目的まで幅広く活用可能なので、興味がある方はぜひ一度試してみることをおすすめします。

7.誰でも使いやすい直感的な操作性

生成AIが普及した現在、多くのノーコード開発ツールが登場していますが、UIが直感的でないものや、最低限の専門知識が必要なものも少なくありません。一方、Difyはユーザーに配慮した設計がされており、視覚的に操作できる工夫が施されています。

特に、ブロックをドラッグ&ドロップでつなげるだけでアプリケーションを構築できる点は、専門知識がなくても扱いやすい大きな特徴です。もちろん、最初から完璧なAIアプリケーションを構築できるとは限りませんが、プロセスが視覚的に理解できるため、結果を確認しながら修正を進めるのも容易です。他のノーコードツールと比べても、ユーザーの負担が少ないのが魅力です。

8.多様なツール対応と便利なテンプレート

Difyは使いやすさだけでなく、対応機能も非常に豊富です。GPT-4oやGemini、Llamaといったオープンソース・クローズドソース問わず、数百種類のLLMをサポートしています。さらに、それぞれのLLMに対応したテンプレートが用意されているため、これを活用することで、ゼロから構築するよりも簡単にAIアプリケーションを開発できます。

テンプレートを基にチューニングを行うことで、「どこから手をつければいいのか分からない」「一から作るのはハードルが高い」「構築の順序が分からない」といった初心者が陥りがちな悩みを解消できます。この利便性がDifyの人気を支える理由の一つと言えるでしょう。


Difyの始め方

Difyは、クラウド版とローカル環境での利用が可能です。それぞれの始め方を説明します。

クラウド版の利用方法

  1. 公式ウェブサイトにアクセスし、アカウントを作成します。
  2. ログイン後、ダッシュボードから新しいプロジェクトを作成します。
  3. 使用するAIモデルのAPIキーを設定します。
  4. ドラッグ&ドロップインターフェースを使って、アプリケーションを構築します。

クラウド版は特別なインストール作業が不要なため、初心者でもすぐに使い始めることができます。

Difyのアカウント登録をします。下記のDifyトップページを開き、「Get started」をクリックします。

difylogoin
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登録できたら、Difyのスタジオ画面が表示されます。これで登録完了です。

after_login

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ローカル環境での導入手順(Docker使用)

  1. DockerとGitをインストールします。
  2. ターミナルで以下のコマンドを実行し、Difyのリポジトリをクローンします:bashコードをコピーするgit clone https://github.com/langgenius/dify.git
  3. Difyディレクトリに移動し、環境設定ファイルをコピーします:bashコードをコピーするcd dify/docker cp .env.example .env
  4. Dockerを使用してDifyを起動します:bashコードをコピーするdocker compose up -d
  5. ブラウザで http://localhost にアクセスし、管理者アカウントを設定します。

ローカル環境での利用は、セキュリティやカスタマイズ性を重視するユーザーに適しています。


Difyの主要機能

Difyには、AIアプリケーションの開発と運用を支援する多くの機能が備わっています。

1. 検索機能

独自のナレッジベースを構築し、その中から必要な情報を効率的に検索できます。この機能により、特定のデータを活用するAIアプリケーションの開発が容易になります。

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2. スタジオ機能

直感的なUIを活用して、AIワークフローやチャットボットを視覚的に構築できます。コードを書く必要がないため、開発のハードルが大幅に下がります。

3. ナレッジベースの構築

独自の情報をアップロードしてナレッジベースを作成し、それをAIモデルが参照できます。これにより、より精度の高い応答や分析を可能にします。

ナレッジ

4. 外部ツールとの連携

Difyは、以下のような外部ツールと連携することで機能を拡張できます:

  • Google
  • Perplexity
  • Slack

これらのツールとの連携により、AIアプリケーションの利用範囲がさらに広がります。


Difyの活用シーン

Difyは、以下のような場面での活用が期待されています:

  • カスタマーサポート:チャットボットを活用して顧客対応を効率化。
  • データ分析:ナレッジベースを活用した高度な分析。
  • 教育分野:独自の教材を基にしたインタラクティブな学習アプリケーションの作成。
  • ビジネスプロセスの自動化:業務効率化を実現するAIソリューションの開発。

Dify料金プラン

Difyには、以下の「SANDBOX」「PROFESSIONAL」「TEAM」「ENTERPRISE」の4つのプランがあります。

dify料金プラン
料金プランモデルプロバイダーメッセージクレジット構築できるアプリ数メッセージリクエスト
SANDBOX無料OpenAI/Anthropic/Llama2/AzureOpenAI/Hugging Face/Replicate200 メッセージ/月101日あたり500件
PROFESSIONAL$59/月 or $590/年OpenAI/Anthropic/Llama2/AzureOpenAI/Hugging Face/Replicate5,000 メッセージ/月50無制限
TEAM$159/月 or $1590/年OpenAI/Anthropic/Llama2/AzureOpenAI/Hugging Face/Replicate10,000 メッセージ/月無制限無制限
ENTERPRISE問い合わせOpenAI/Anthropic/Llama2/AzureOpenAI/Hugging Face/Replicate無制限無制限無制限

まとめ

Difyは、プログラミング初心者から上級者まで、幅広いユーザーが手軽にAIアプリケーションを開発できる強力なツールです。直感的なインターフェース、多様なモデルサポート、柔軟なカスタマイズ性など、豊富な機能を備えています。

AIの普及が進む中、Difyを活用することで、ビジネスや個人のニーズに合ったAIソリューションを迅速に構築することが可能です。これからのAIアプリケーション開発をさらに加速させるDifyの活用をぜひ検討してみてください。

その他のAIツールについても、こちらから解説しています。ぜひお役立てくださいね。

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    この記事の監修者

    株式会社BuzzConnection/株式会社KAGEMUSHA 代表取締役CEO

    2021年に独立し、株式会社BuzzConnectionを設立。複数の事業を運営し、現在はAIを活用したWebアプリケーションの開発、運用や生成AIの普及を目的としたセミナー研修の開催など多角的に活躍している。

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